関 建築+まち 研究室

 建築やまちについて考えてみたい方へ ・・・ いっしょに考えてみませんか ・・・

■まち印象記・・・これまでに見学してきたまちの印象を紹介しています

バルセロナ建築事情


 マドリッドでは、ジャン・ヌーベル、ノーマン・フォスター、磯崎新、ザハ・ハディド、デヴィッド・チッパーフィールド、ジョン・ポーソン等々18組の建築家やデザイナーが関わった超豪華ホテル“プエルタ・ド・アメリカ”の建設が進んでいるらしい。スペインの地図を開いて虚しい空想旅行をしてみたものの、本会の青年委員会主催の研修旅行はバルセロナだけの滞在となっている。膨らむ期待を抑えつつ、バルセロナに向かった。
 バルセロナと言えば、何をおいてもアントニオ・ガウディの建築群を思い浮かべるが、ドメニク・モンタネールによるカタロニア音楽堂やサン・パウ病院(共に世界遺産)等も見逃せない。ふんだんに装飾を施された音楽堂の正面外観は度肝を抜くに十分だが、オスカー・トゥスケによって増築された背面部分は煉瓦壁を保護するためにサッシュレスの全面ガラスカーテンウォールで覆っており、その大胆なアイディアに魅了される。ラファエル・モネオによるラウディトリ(コンサートホール)はおとなしいデザイン。リカルド・ボフィルによるカタロニア国立劇場や空港ターミナルなどはスケール感のない大味なデザインで感心しない。2000年に急逝したエンリック・ミラージェスのサンタカタリナ市場がまもなく完成する。うねるような木造屋根は派手な色で塗り尽くされている。
 1992年のバルセロナオリンピック会場となったモンジュイックの丘は、日本代表の有森裕子や岩崎恭子等が活躍したところであるが、市街や地中海を望む展望台でもある。丘の上には、ヴィットリオ・グレゴッティによるメインスタジアム、磯崎新によるサンジョルディスポーツ館、サンチャゴ・カラトラヴァによるモンジュイックタワー等がある。
 丘の麓には、ラ・カイシャ財団が運営するカイシャフォーラムという美術館があるが、そのエントランス広場とゲートは磯崎新によってデザインされたものである。道路の対面にあるミース・ファン・デル・ローエのバルセロナ万博ドイツ館に敬意を表したのか、地上にはガラス屋根のゲートだけが置かれており、地下広場へはエスカレーターで下る。
 スペイン広場に面した見本市会場の増改築計画では伊東豊雄のデザインが選ばれているが、まだ何もスタートしていない(2007年完成予定)。広場の向かいにあるラス・アレナス闘牛場は、観客席を残しながら全体を覆う屋根を掛けたショッピングセンターに改修されるそうで、リチャード・ロジャースによってデザインされ、工事が始められている。
 バルセロナオリンピックの時に開発されたバルセロネータと呼ばれている人工海浜の脇にはSOM設計のホテルアーツというタワーがある。その足元には、フランク・ゲーリーによる巨大なフィッシュオブジェが地中海に向かって鎮座している。
 リチャード・マイヤーによる現代美術館は、石造建築の残る旧市街という立地にあるが、マイヤーはお馴染みのスタイルを頑なに譲らなかった。公共建築ということもあって前面広場には世界各国の人が溢れている。この広場のせいで、異質なデザインの建築も都市的スケールのオブジェのように受け止められているのかもしれない。
 中心部から離れたグロリアス・カタラナス広場に面して、砲弾か銃弾を突き立てたような形の地上142mのタワーが建っている。これはジャン・ヌーベルによるアグバルタワーで、もうまもなく完成する。アグアス・ド・バルセロナという水道会社グループのビルである。その形はモンセラットという奇怪な岩山からヒントを受けたということであるが、それはガウディだって同じこと、、、こうも違うものかと思うくらいに違っている。
 ドミニク・ペローによるホテルアビタスカイ(2006年完成)は、大きな穴を穿ったパンチングメタルで全体を覆うスタイリッシュな外観で期待される。
 空港に向かう高速道路脇では、リチャード・ロジャーズによるヘスペリアホテルの建設が進んでいる。ノーマン・フォスターによるテレコムタワーを遠望することもできる。

(社)長野県建築士事務所協会長野支部:「かすがい」2005年5月20日掲載

金沢の街を歩いて

蔵の街を歩いて

越後妻有を巡って

第27回建築士事務所全国大会北海道大会に参加して

高山・古川・八尾を訪ねて

長浜・近江八幡・彦根を訪ねて

山梨の一日

淡路島で出会ったもの

天心記念美術館とジュゼッペ・テラーニ展

アルベールビルオリンピックの特徴